整体院ナチュラルの川村です。
「腰が痛い」
あなたも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
この記事の目次
全国の腰痛保有者
厚生労働省の発表によると、腰痛を訴えている人が全国で約2770万人もいるといわれています。
日本の人口が約1億2700万人、およそ5人に1人が腰痛を訴えていることになります。
そのうちの85%が原因不明で、何度もぶり返す慢性腰痛に悩まされいます。
腰痛がなぜ慢性化してしまうのか、慢性腰痛になりやすい人はどんな人なのかについてご紹介していきます。
慢性腰痛とは?
腰が痛い状態が継続して3ヶ月以上続いているものを【慢性腰痛】といいます。
そして痛みが次第にエスカレートしていきます。
この慢性腰痛は小学生から高齢者まで年齢・性別を問わず発症しています。
健康な人は腰痛を発症しても2〜3日経てば、自然に痛みが引いていくのですが、なぜ痛みが自然に引いていく人と慢性痛へ移行してしまう人がいるのでしょうか?
慢性痛に移行してしまう理由
慢性腰痛の原因は2種類ある
- 身体の構造的な問題
- 身体の機能的な問題
大きく分けると上記の2種類で分けることができます。
構造的な問題とは
明らかに骨や神経に異状があり、病院の検査の画像所見で診断がつく症状をいいます。
たとえば、「椎間板ヘルニア」や「脊柱間狭窄症」など病名のある腰痛がそれに当たります。
機能的な問題とは
検査では特に異状が認めらないにも関わらず痛みがあり、関節や筋肉が正常に動かない症状をいいます。
これは身体の機能が衰えたことなどによって起こるものです。
慢性腰痛の8割は機能的な問題によるもの
慢性腰痛が起こるのはなぜか?
- 運動神経の興奮からくる痛み
- 交感神経の緊張からくる痛み
当整体院にご来院のお客様は、交感神経の緊張からくる痛みでお悩みの方が大半ですので、今回はそちらを中心にご紹介します。
ちなみに運動神経の興奮からくる痛みは、主にスポーツや肉体労働などで筋肉を酷使し続けたことによるものです。
交感神経は活動している時に働く神経で、特にストレスやプレッシャーを感じると、交感神経は緊張状態になります。
たとえば、プレッシャーのかかる場面に直面すると、体がキュッとこわばった感じになりますよね。それがまさに交感神経が働いている状態です。
交感神経が緊張状態になると、血管が収縮して血液の巡りが悪くなり、全身に酸素が行き渡らなくなってしまいます。
そうなると筋肉が真空パックのようにカチカチに硬くなり、痛みの物質が発生します。
こうした交感神経の緊張がずっと続いている状態が、慢性腰痛を引き起こすと私は考えています。
交感神経による慢性腰痛でお悩みのお客様は、責任感が強く、ついつい頑張り過ぎてしまう方が多いのが特徴です。
腰痛の改善のためにはリラックスして筋肉を緩めることが大切なのですが、このようなタイプの方は「休んでいる時間がもったいない」「休むことは悪いこと」という意識を持ち、ストレスのある状態が日常化しているため、「リラックスしてください」と言っても、なかなか生活リズムを変えることができません。
そのようなお客様には「お風呂に入った時は、体の力を抜いて、意識して深呼吸するようにしてくださいね」とお伝えするようにしています。忙しい方でもお風呂なら一人でゆっくりできると思います。
慢性腰痛の予防のためにも、少なくとも1日一回はリラックスした状態を確保するようにおすすめしています。
それでは、なぜ痛みは慢性化してしまうのでしょうか。
人間は、脳からの指令を受けて行動します。
体を使う時には「筋肉に力を入れなさい」と脳から指令が出るわけですが、行動後に「筋肉を緩めなさい」という指令が出ることはありません。
行動を終えたら、体は自然に緩んでいきます。
しかし、ずっとストレスを感じているような人は、交感神経の緊張状態が続いているため、自然に緩むはずの筋肉が緩まず、筋肉に力が入ったままの状態がずっと続いてしまいます。
通常、睡眠中はリラックス状態をもたらす副交感神経が優位になるはずが、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできなくなり、寝ている時さえも緊張状態が続いてしまうのです。
かつて重度の肩こりで当整体院に通われていたお客様がいました。
その方は寝ている間、ずっと自分の手を強く握りしめ、朝起きた時には手のひらに爪の痕が残るほどだったといいます。
まさに睡眠中も緊張状態にあり、つねに体がこわばっていることから、慢性的な肩こりを発症してしまったのです。
この方には、まず痛みのレベルを下げるための施術を行い、次に体が緩むとはどういうことかを実感してもらえるような施術を施しました。
施術を重ねた結果、やがて朝起きても手を握りしめていることがなくなったそうです。それはつまり、リラックスして眠れるようになったことを意味しています。
このように交感神経の緊張状態が続いている人は、体が休まることがないため、なかなか痛みが消えません。
すると、次第に「この動作をすると、また痛みが出てしまうのでは」という不安感や恐怖心が芽生え始め、必要最低限のこと以外、体を動かさなくなると、今度は使わなくなった筋肉が硬くなり、さらに痛みが増すという悪循環を招いてしまいます。
こうなったら、あとは坂道を転がるように症状は悪化の一途を辿ります。
もしも朝起きた時に、疲れが取れていない、体の痛みが取れていないという方は、もしかすると交感神経の緊張状態が続いているのかもしれません。そのまま放っておくと、慢性腰痛になってしまうリスクがあります。
症状がひどくなって諦める前に、あなたに合った専門家を探してみてくださいね。